(北米改革長老教会大会所属)
        改 革 長 老 日 本 中 会 設 立 宣 言
            −所属する各個教会に対して−

[改革長老教会の起源と使命]
 改革長老教会は、イエス・キリストの教会の名誉ある一つの枝です。宗教改革の影響
のもと、聖書の福音に立つ使徒的教会として、ジョン・ノックスの指導の下でスコット
ランドに生まれたスコットランド長老教会が私たちの信仰の直接の祖先です。宗教改革
者カルヴァンの深い影響のもと、ヨーロッパ大陸には改革派諸教会、イギリスの島々に
は長老教会が形成されました。この両者は歴史的にも、信仰の本質に置いても共通の改
革派信仰の基盤に立っていましたが、それぞれの遣わされた国家社会と文化と時代状況
において、それぞれの特色を生ずるに至りました。17世紀後半の大迫害の時代に、ス
コットランド長老教会では、聖書の福音に立って、信仰と生活の自由を、大きな犠牲を
払って守り抜いたカベナンターと称せられた人々があらわれました。そしてかれらとそ
の子孫が、18世紀になってから、改革長老教会を称するようになりました。これは、
妥協的な長老教会に対して、あくまでみことばの真理による魂と生活の改革、そして、
教会と国家社会の改革を目指す長老教会であるという意味であり、端的には、改革主義
の長老教会という意味、また、改革された長老教会という意味です。
 改革長老教会は、ウエストミンスター信仰基準を堅持する教会です。このウエストミ
ンスター信仰基準は、スコットランド長老教会からのアレクサンダー・ヘンダ−ソン、
サムエル・ルザフォード、ジョージ・ギレスビーらが特命委員となり中核の一部として
指導して、イングランド議会で作成され、1660年までにスコットランド長老教会お
よび議会によって批准されたものです。改革長老教会は、この信仰基準によって、聖書
的福音的信仰と生活を忠実に守り、そのキリストにある信仰と生活の自由のため、そし
てその信仰の自由を支える長老教会の自治権のため、さらにその信仰の自由を完全に享
受できるように保証するキリストにあって自由な国家社会の実現のために、戦ってきま
した。その戦いは、「神の栄光のために」、「キリストの冠(王権)と契約のために」
と要約できます。

[改革長老教会の歴史的展開]
 迫害を受けた人々は、アイルランドへ、そして、アメリカ大陸へわたり、そこで、強
力な長老教会を築きました。時代と共に様々な妥協が起こり、特にアメリカでは大部分
の教会が他の長老教会などと合同してしまい、改革長老教会として残った人々は一部と
なりましたが、長老教会中の長老教会として、今でもキリストの王権を強調して存在し
ています。
 その上、19世紀以来礼拝に混入してきた賛美歌に対して反対し、神が礼拝の賛美と
して定めたもうた詩篇を、17世紀以来のキリストの王権と信仰の自由のための戦いの、
実践を支える礼拝と霊性の源として重視することが、教会の特徴に加わっています。

[改革長老教会の現在]
 現在、北米改革長老教会は、アメリカ・カナダ・日本にまたがる国際的キリスト教会
であり、その兄弟教会にはスコットランド改革長老教会、アイルランド改革長老教会、
オ−ストラリア改革長老教会、キプロスギリシャ福音教会があり、また中国やシリヤに
もかつての改革長老ミッションの影響が残っています。アメリカのピッツバ−グ、カナ
ダのオタワ、北アイルランドのベルファストに神学校、アメリカのビ−バ−フォ−ルズ
にジェネバ大学をもっています。アメリカでは、全米福音派同盟に加盟して聖書信仰に
立つ福音派の諸教会と交わっており、北米長老改革教会協議会では、キリスト改革派教
会、正統長老教会、アメリカ長老教会、連合長老教会などの諸教派と親しく交わってい
ます。

([日本における改革長老教会と他の長老教会])
 改革長老教会の日本宣教は、45年前に始まり、現在神戸地区とその周辺に、東須磨
・霞ケ丘・岡本契約・武庫之荘・北鈴蘭台・本多聞の諸教会伝道所をもっており、神戸
の都心に書店を持っています。(私たちと関係の深い教派としては、日本キリスト改革
派教会の諸教会およびその経営する神戸改革派神学校があり、長年にわたる友好関係を
保ってきました。教会史的には長老教会系の教会として、関東中部地区に展開している
日本長老教会を開拓した改革長老教会福音大会ミッションと、19世紀半ばまで同じ教
派だったという間柄です。
 上記の友好諸教会は、アメリカの(オランダ系)キリスト改革派教会を除き、いずれ
も長老教会として、教会の聖書理解の基準にウエストミンスタ−信仰基準を採用してい
ますが、私たちの改革長老教会はウエストミンスタ−信仰基準を最初に採用した17世
紀スコットランド教会の信仰的直系として、より忠実にこの信仰基準を保持しています。
またその他に単立系の改革主義諸教会、また、在日大韓キリスト教会や在日中華教会の
多くとは、信仰的に近い関係にあります。
 日本には、今まで述べた改革派信仰に立つ長老教会以外に、長老教会として、戦前の
旧日本基督教会系の日本キリスト教会(新日基)と日本キリスト教団内の長老教会協議
会、カンバ−ランド長老教会などがあります。)

[改革長老教会日本中会設立の宣言]
 このような歴史的背景(と現代日本の長老教会の状況)のもとで、私たちは、199
5年6月、改革長老教会日本中会の設立を改革長老教会大会に願い出、認められました。
 歴史的な改革長老教会として、この日本の国で、いよいよ本格的な長老教会形成の
わざが始まりました。
 私たちは、誤りのない神の言葉である聖書の通りに、三位一体の神の主権を福音的キ
リスト教の中心に正しく位置づける改革派信仰を堅く告白します。ウエストミンスタ−
信仰規準に実践的に告白された生活体系の実現を望みます。そして長老主義こそが、こ
の信仰を、実際の家庭・国家社会・教会の中で具体化するため、信仰と生活のキリスト
にある自由を確立し保証する教会の在り方であると、確信しています。私たちはこの長
老主義教会を立て、「神がたてられた契約のもとでキリスト王権のために」生きること
を願います。 私たちは、キリスト王権を告白し信仰と生活の自由のために戦う長老主
義教会が、日本宣教において担っている特別な任務を深く認識し、そのような長老教会
を形成することをもって、キリストの教会の一つの枝として日本における福音の証しの
戦いにつかえることを、深く願うものであります。

[改革長老教会日本中会設立の意義]
(このたびの中会設立の意義は、長老教会形成の本格化にあります。)
 改革長老教会は、日本における教会政治を、毎年大会が任命する大会直属の長老会議
である日本委員会(ジャパン・コミッション)で行ってきました。これは、長老教会本
来の中会による教会自治が可能になるまでの暫定的処置でした。(改革長老教会教会憲
法の諸規定にも詳しくのっていない、あくまで当座の処置です。ところがこの暫定的状
態が45年間も続いてきたわけです。これは長老たちによる自治がまだできない宣教地
における伝道の初期段階で、宣教師なり伝道に当たる牧師たちが全権を委ねられて治め
るという、いわば長老主義でいうと例外的な状態であり、長老たちによる自治が可能に
なればただちに解消されなければならないものでした。しかし、教会のゆっくりした成
長と、宣教師や牧師に依存しがちな体質のゆえもあって、十分に牧師と長老たちによる
自治が可能になり、実質的に日本の牧師長老の自治によって教会政治が行われるように
なってからも、長年にわたり中会形成は見送られてきました。)しかし、近年来、アメ
リカの大会から繰り返して中会形成を呼び掛ける声が出されていました。これは、宣教
地の自立を祝いたいという長年日本宣教を支えてきた母教会ならではの願いもあります
が、実質的に中会として機能し始めているのに自らを暫定的状態に止めたいとする日本
の改革長老教会の(甘えを戒め、)自立への自覚を促すためでもありました。日本の改
革長老諸教会はこれを感謝と共に深く受け止め、日本委員会のみならず各教会における
協議も重ねた結果、今後、中会を形成し教会の自治を確立しなければ、教会としての成
熟はなく積極的に宣教と教会形成の使命を果たすこともできないことを自覚するにいた
り、このたびの中会形成の決定となりました。従って、このたびの中会設立の意義は、
長老教会形成の本格化にあります。私たちは、今こそ、長老教会についての理解と確信
を深めて、共に良き長老教会となることを、切に祈るものです。(もし改革長老教会が、
長老教会でなかったならば、今までの日本委員会が中会となる意味は無いでしょう。
教会の役員たちが適当に話し合って教派に関することを決めるのは同じなわけで、名前
が中会になろうが、日本委員会であろうが、余り意味はないわけです。しかし、私たち
は長老教会ですから、中会を形成し、教会の自治を確立しなければ、教会としての成熟
はないし、使命を果たすこともできません。このたびの中会形成の意義は、長老教会形
成の本格化にあるわけです。私たちは今こそ、長老教会についての理解と確信を深めて、
共に良き長老教会とならねばなりません。)

[改革長老教会日本中会設立に際しての決意]
(これから、私たちの教会はどの様に変わらなければならないのでしょうか。)
 この中会設立に際して、私たちは、次のことを決意します。

1.長老会議の権威を立てることで、みことばを中心とする教会となること。
長老会議の権威を立てることで、ウエストミンスタ−信仰規準に沿いみことばの教えを
中心とする教会、信仰者の誓約共同体としてそのみことばに実践的に従順な教会となる
こと。(これからは、真に実質的に、一人の宣教師・牧師ではなく、また会衆の多数意
見でもなく、長老会議が会衆に権威を認められ信頼されてすべてを決定する教会となら
ねばなりません。それは、勝手な人間の意見が教会の事を決定するのでなく、みことば
に立ってつねに決定するという考え方に慣れると言う事でもあります。長老とは、神か
ら教会の監督としての召命を受け、会衆の選挙によってそれを証しされ、キリストとそ
のみことばの権威を委ねられた人々で、牧師も含みます。これからは、会衆は、人間的
な関係や感情ゆえに指導者を尊敬して従うのでなく、主による権威とそこに委ねられた
みことばの権威のゆえに長老たちの会議をたてて、教会の自治をみことば中心に築いて
いかねばなりません。会衆は、長老の選挙権・請願権・上訴権をもち、長老がみことば
に立って指導している限りは、これをもりたて、積極的に同意し協力して、みことばに
よってこの世に対して自由に自治を行う教会を、共に築いて行くのです。[ですから、
会員会議は、最終決定機関でなく、長老たちの指導に一致して協力するための大切な話
し合いの場です。]また、長老たちは、この世の知恵によって教会を導いてはなりませ
ん。長老たちの権威はただかれらがキリストへの信仰とみことばによっている時にのみ
あるのであって、長老たちはみことばによって決定するように義務付けられています。
このようにして、教会は、ただみことばのみを基準として長老会議が指導し、この世の
なかでいかなるものも犯せないみことばに立つたつ自治を持ってこそ、本当に聖書的福
音的な信仰と生活を導くものとなれます。そのような長老会議を持つ長老教会を私たち
も築こうではありませんか。この意味で、私たちは、自分たちの教会の中から、監督主
義的な考え方や会衆主義的な考え方を排除して、長老主義的な考え方で教会の様々なこ
とに対さねばなりません。長老主義的な考え方はみことばの権威を前提としており、こ
の世にはないので、私たちはよく学ばねばなりません。教会の指導を、長老主義をきち
んと学び理解しないで、この世の団体や会社の運営と似ているものとして安易に行うこ
とは、多くの人の陥りやすい罠ですが、たいへん危険です。)
2.教会の憲法を完成させ、これを良く学び、用い、改正していくこと。
(現在仮訳が印刷されており、一部の訳が正式に承認されているだけの)教会憲法の日
本語訳をできるだけ速く完成し承認して、長老はもちろん会衆もこれを自由に学び、一
人一人が教会政治に秩序正しく積極的に参加できるようにし(なければなりません。こ
れは莫大な労力を要する仕事ですが、全教会の祈りをもってなしとげねばなりません。
そこに長老教会の本当の基礎が築かれ、一人一人の責任の確立と自発的参加による教会
の正しい活性化と成長の道が開けます。とりあえずは、現在の改革長老教会憲法を翻訳
してよく学ぶことで、信仰の先輩の長老教会形成への確信と忠誠を心から理解するもの
となりたいとおもいます。)その上で、(日本における教会の成長と共に、教会の聖書
的継続性を踏まえつつ、この憲法を日本での信仰の証しにさらにふさわしいものにして
いきたいと願うものであります。その段階で、例えば、幼児洗礼に比べて成人洗礼を極
めて軽く扱っている現在の礼拝指針のような、)日本伝道に不適切な所を直し、また日
本の偶像礼拝的社会への対応など、必要な点を加え(ることができます。中会が形成さ
れて、いよいよ本格的に)日本としての証言書の作成に向かうこと(をめざす体制が整
いました)。

3.北米の大会に積極的に参加すること。
(私たち日本の改革長老諸教会は、経済的には宣教師と書店マネ−ジャ−関連費用以外
は原則として自立しており、中会と成ることで、)北米大会に対してすでに自立してい
る経済的関係は変わらない(のです)が、(中会形成は、わたしたちが今まで以上に)
大会での憲法や信仰基準の決定等の論議に積極的に参加し、(常に大会のあらゆる活動
の分野に置いて、その一員であることを求められるということです。つまり)改革長老
教会の一翼を名実共に担う一員となること(です。憲法や信仰基準は、これからは次第
にお仕着せのものでなく、私たちも参加してみことばから作り上げたものとなるでしょ
う。それだけ責任感も強まり、主体的な教会への参加の機会も自然に増えます。真の長
老教会の一部となるわけです。だから私たちはもっともっとしっかりみ言葉と教理を学
ばねばなりません)。また、(この機会に)アメリカ等の兄弟教会との交わりを対等で
深いものとすること(をめざさなければなりません)。

4.日本の他の教会、特に長老系諸教会と友好関係を結ぶこと
日本国内での友好諸教会との交わりを前進させ(ねばなりません。日本にある長老教会
で、中会を形成できていなかったのは私たちだけでした。ですから、これから対外的に
も理解されやすく、自立した長老会議として,特に長老系諸教会との様々な友好関係や
共同作業にも、一層入りやすく成りました。)改革長老教会の聖書的使命をもって、諸
教会に学びつつも、貢献すること(をめざさねばなりません)。

5.中会の自治権にもとづき、教会憲法に従って公正に教会を運営すること。
中会を形成し自治を確立することで、(様々な決定権がこの中会に本格的に委ねられま
す。長老教会は大会・中会・小会のそれぞれが独自の自治権を持っています。その上で
互いの間に上下の秩序を置いているわけです。中会は小会の各教会の運営や財政という
ような自治権を理由なく侵害できません。しかし、中会にもいろいろ最終的な決定権が
在ります。たとえば宣教長老[牧師]の籍や教会の設立やその中会としての宣教活動で
す。中会の形成に伴って、宣教師の先生方の牧師籍は今までアメリカの中会にあったも
のが、日本中会に置かれることになりました。従って宣教師についての決定も、実質的
には外国伝道局のみで決定するというようなことはできなくなります。宣教師について
も良く話し合って決める責任が中会に来るのです。この事は、日本の)教会を(強力な
宣教師の指導による体制から、いよいよ)長老会議が指導し、宣教師とはパ−トナ−シ
ップの関係となる体制へと完全に移行させること(を意味します)。(このように、様
々な面で日本中会の決定権が確立されましたので、それだけ、教会憲法に照らして公正
な決定が求められることにもなります。中会運営は)改革長老教会政治指針(のなかに
そのありかたが詳しく規定されています。それ)にそって、公正に中会を運営していく
ことによって、この中会形成を機会に、日本の改革長老教会の自主的かつ法的秩序を確
立する基礎を、築くこと(ができます)。

6.日本における改革長老教会の活動の土台を確立すること。
中会設立の機会に、「キリストの冠と契約のために」、五つの土台の確立をめざすこと。
(1)伝道者研修機関としての、神戸神学館開館 
(2)伝統ある文書伝道事業であるカベナンタ−書店を素地とする、改革長老教会の中核
   施設としての、カベナンタ−・センタ−・ビル建設
(3)詩篇歌集完成への努力
(4)各教会の確立:みことばに忠実な礼拝礼典とその遵守、祈りと詩篇賛美の絶えない
   霊的交わりの充実、奉仕の進展、活発な伝道活動、証しの戦い
(5)伝道への献身:教会と伝道所の信仰的実質的自立の確立、家の教会や子教会をうみ
   だす祈りの熱心、主の召命と賜物を受けた献身者の輩出

 どうか主が、改革長老教会日本中会を祝福し、み顔の光を照らして下さいますように。
  1996年5月13日  改革長老教会日本中会の委任により

              中会議長    瀧  浦     滋         
             中会書記    坂  井  純  人